「東京都自転車の安全で適正な利用を促進に関する条例」が令和元年9月に改正され、東京都で自転車を利用する方は自転車損害賠償保険等への加入が義務になります。具体的な対象の方や施行時期、加入対象かの確認方法について調べてみました。
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東京都自転車の安全で適正な利用に関する条例とは
東京都で条例として制定されている、「東京都自転車の安全で適正な利用に関する条例」は、都内で自転車に関連する事故の多発や自転車利用者による危険な運転、自転車放置といった問題について自転車利用者が守るべき事項を明らかにする事や、関係者の役割を明らかにし安全な利用を促進することを目的として平成25年7月に施行されました。
今回の自転車損害賠償保険の加入については更なる促進を図るための改正として含まれています。
改正されたポイント
改正されたポイントとしては下記が挙げられます。
- 自転車利用者、保護者、自転車使用事業者、自転車貸付業者による自転車損害賠償保険等への加入の義務化
- 自転車小売業者による自転車購入者に対する自動車損害賠償保険等の加入有無の確認
- 自転車通勤をする従業員に対する事業者による自転車損害賠償保険等への加入の有無の確認
- 自転車貸付業者による自転車を借り受ける人への自転車損害賠償保険等の情報提供の努力義務化
- 学校での児童、生徒等への自転車損害賠償保険等に関する情報提供の努力義務化
基本的に東京都内で自転車を利用する場合は、自転車損害賠償保険等への加入が必要となります。改正された条例は令和2年4月より施行されます。
自転車損害賠償保険とは
自転車損害賠償保険とは自転車の利用によって生じた他人の生命または身体の損害を賠償に対する保険です。
自転車利用で重大な事故を起こしてしまった時に、高額な賠償金を請求されるケースがあります。自転車事故による「被害者の保護」と「加害者の経済的な負担軽減」を目的としたものとなります。
自転車損害賠償保険等の加入状況の確認方法
既に加入している保険によっては特約等によって自転車損害賠償保険等へ加入しているケースもあります。加入している保険などがある場合は1度確認をしてみましょう。
確認する保険や共済契約例
- 「自転車保険」等の名称で販売している傷害保険とのセット商品
- 自動車保険の特約
- 火災保険の特約
- 傷害保険の特約
- クレジットカードなどの付帯保険
- 会社等の団体保険
- PTAの保険や学校・大学で加入する保険
- 交通安全協会の自転車会員として加入する保険
この他に、自転車に貼られているTSマークの点検日からの日数により自転車が保険に加入されている場合があります。TSマークとは自転車向け保険となり自転車安全整備士が点検確認した自転車に貼付されます。種類として第一種TSマーク(青色)と第二種TSマーク(赤色)があり傷害保険、賠償責任保険、被害者見舞金(赤色のみ)が付帯しています。保険の期間はTSマークに記載されている日から1年間となるため、日付が1年以内であれば保険に加入しています。TSマークについては有効期間があるため、期限が切れる前に点検整備を受けて更新をする必要があります。
TSマークを含めもしこれらの保険等に加入していない状況の場合は、自転車損害賠償保険等への加入が別途必要となります。
まとめ
東京都の自転車損害賠償保険等への加入について調べてみました。
自転車損害賠償保険等への加入を「義務」や「努力義務」とする都道府県は徐々に増えてきています。この理由として、自転車による事故によって問題が発生しているケースが多発している事が挙げられます。歩行者として自転車を見た時、ぶつかりそうになってヒヤッとしたケースは多くの方が経験しています。乗る方は安全運転を行ってもらうのはもちろんですが、何かあった時の事を考え義務化されていない地域の方も保険の加入を検討される事も必要ではないでしょうか。